2021.05.30

CCG TOのビジョンとその先にあるものを、抽象画家の植田志保さんと表現。

CCG TO

CCG HOLDINGSのグループ会社であるCCG TOは、メディア開発からブランディング、プレゼンシーンで専門性を有している組織です。ビジョンは、「より良い伝わるを、考える」。その想いをメンバー間でも深め、社会やターゲットにもより伝わるようにするため、抽象画家の植田志保さんを起用してビジョンを具現化。今回のKnow CCGでは、制作の経緯や完成した作品のことなどを、CCG TO代表の宮城と作品を手がけた植田さんの言葉も交えてお届けします。

自分たちが大切にしている“伝わる”を表現するには、
植田志保さんしかいないと思った。

CCG TOは、家族の時間を大切に楽しむママ・ファミリーのための提案型メディア『HugMug』を運営する事業部が独立し、グラフィックデザインやプレゼン制作を行うCANOWと合流して生まれた組織です。「より良い伝わるを、考える」というビジョンのもと、ママ・ファミリーをターゲットにした事業を展開しています。今回のビジョンの具現化において、CCG TO代表の宮城は制作の意図についてこう言います。

「CCG TOメンバーの「より良い伝わる」を実践する際の悩み、迷い、閃き、貫くといった想いと、作られたコンテンツが社会へ、ターゲットへ、個人の意識へと伝わる様を表現したいと考えていました。その時、表現していただくのは抽象画家の植田志保さんしかいないなと。植田さんの作品の中に、色の溜まりが上から下へと落ちていくものがあります。その色の溜まりの部分にある滲みの広がりが、メンバーの想いを表現するには最適だと思いました。そして、色の溜まりから下にスーッと迷いなく一直線に流れる様が、情報伝達におけるすべてを端的に表現されているのではないか。植田さんのこの作品は色の部分が主役のようであり、実は余白にこそ見どころがある。そんな色と余白の関係を大切にされているところも、私たちのコンテンツ作りにと通じるところがあり、植田さんにお願いするしかないと思ったのです」

また、植田さん自身の人柄、作品が持つ優しさ、気持ちの良さに満ちているところも起用理由。「メンバーが思い悩んだ時や少し元気がない時に、このビジュアルを見ることで気持ちを良い方に変化させることができれば良いなと思ったのも理由の一つ」と言います。そうして植田さんに制作を依頼する際には、以下のイメージと数種類の色の活用をお願いしました。

【色の組み合わせと大きさのイメージ】
ベージュ(誠実さ)×パープル(感性)/大中
ピンク(女性らしさ(思いやり))×レッド(情熱)/中小
ネイビー(信頼)×グリーン(豊かな未来)/中小

このような流れの中から、植田さんの表現によって生み出された作品が「伝わる」です。

誠実さ、感性、女性らしさ…、6つの言葉を知らない状態にまで戻す。
そして、白詰草で冠を作るような感覚で、制作していく。

植田志保さんは「色のすること」をテーマに活動を続けており、今回依頼された作風はまさに彼女の根源的なシリーズです。「色即是空と言うか、空即是色と言うか。この色があるからあの色が見えてくるといった感じで、それぞれが協力し、影響を与え合うことで生まれてくる世界を色とともに表現している作品なんです」と植田さん。2020年末に依頼された際、植田さんはまず環境づくりから始めたと言います。

「どんな作品を表現する時もそうなんですが、環境づくりが一番大切だと思っています。環境とは空間的なものだけではありません。今回で言えば、まず言葉です。宮城さんからいただいた6つの言葉を、まずは私自身が知らない状態まで戻して、そこから言葉の持つ意味や、何に向けての言葉だろうと考えていきました。そして、そこから一つ一つ編み上げていく。言わば、白詰草で冠を作っていくような感覚ですね。他にも、どんなキャンバスを使うかということも、環境づくりの一つ。“色の溜まりから迷いなく一直線に流れる線”を表現するには、木目が残るようなキャンバスでは線が歪んでしまいますからね。そうしていろんな側面から環境を整えていって、ようやく作品づくりを始めていきました」

環境づくりを経たことで、作品に求められる意図を植田さん自身がさらに深く突き詰めてくれました。「“伝わる”とは“伝える”ことがあって成立するもので、“伝える”→“伝わる”という流れ。その過程には想いや振る舞い、人の様、そしていろんなレイヤーや時間軸があって伝わっていく。それが、“伝わる”なんじゃないかと思ったんです」と植田さん。そうして完成したのが、CCG TOのビジョンを表現した作品「伝わる」です。作品制作中のことを伺ってみると、「環境づくりまではすごく考えましたが、制作がいざ始まると無心でしたね。例えるなら、色の方がこっちに来て、こっちこっち!と言ってる感覚。私は「はい!」って感じで色と常に会話しながら色のすることに並走して、「そろそろ手離れしてね」ってタイミングで仕上げていく。そのような感じで制作しました」

“伝わる”の次のストーリーを考えて誕生した作品「実り」。
これは、CCG TOのビジョンのその先にあるもの。

当初は「伝わる」のみの依頼でしたが、制作シーンの撮影に応じて植田さんと相談した上で、もう一点作っていただくことになりました。その際、宮城が植田さんに伝えたキーワードが『「伝える」→「伝わる」→「共感」→「浸透」→「広がる」』というもの。そこから植田さんは再び白詰草を作るような感覚で言葉と向き合い、環境づくりを整え、制作に挑んだと言います。そして、最後に出た言葉が“実り”だったそうです。

その言葉の導きを、植田さんはこのように語ってくれました。「“伝わる”ことから広がって、社会や人と呼応することでまた広がっていく。“伝える”→“伝わる”とは源流であり、無限性のあるものだと思いました。そして、伝わってやってきたあるものは、きっと何かを生む種であり、人それぞれ生まれてくるものは違うのではないかなと。そうやって出てきた言葉が、“実り”です。その瞬間、“伝わる”から始まる“実り”のストーリーがハッキリと見えた気がしましたね」

宮城自身も「お伝えしたテーマを多面的に捉えていただき、私たちのやりがいや気持ちの高揚までも表現してもらえました。CCG TOの届けた種が時には情報源になったり、行動のキッカケになったり、そのさまざまな積み重ねで未来は豊かになっていく。そして、一つの実りだけではなく、色の重ね方や技法でたくさんの未来を表現していただけてとてもうれしく思いましたし、自分たちの仕事の重みを改めて感じることができました」と、身の引き締まる思いだったようです。

また、この作品には別の楽しみ方もあります。実は、作品の見え方に上下左右を定めていないのです。「どこを上にするかなどの飾り方は、その時の気持ちに合わせてもらえれば。“これで見てください!”ではなく、今日はこっちかなとか、差し込む光に合わせて変えてみたりとか、“どう見えるか”を自分に問うことの方が重要だと私は思うんです。だって、その方が楽しくないですか!?」と植田さん。

今回のビジュアル制作で私たちが具現化したかった「より良い伝わるを、考える」というCCG TOのビジョンは、「伝わる」と「実り」の2つの作品を通じてさらに深まり、さらに広がったように思います。この作品はCCG TOのホームページはもちろんですが、社内にも展示しているので来社された際はぜひ現物を楽しみながら見てください。私たちはこれからも、「より良い伝わるを、考える」ことを実践し続け、たくさんのファミリーや子ども、社会、そしてメンバーの未来を幸せに繋げていくコンテンツを世の中に創出し続けていきます。

https://ccg-to.jp
OFFICIAL CORPORATE SITE
CCG HONANDO CCG HONANDOによる環境負荷低減の取り組み
一覧へ ALL
トップ