前編ではCCGグループの創業期と、転換期となった事象の話をお届けしてきました。後編ではその転換期に代表の北田が注力した企業の基盤づくりや事業展開、そして現在に至るまでの取り組み、これからの想いをお伝えします。SWOT分析についても話しているので、ぜひ試してみてください。
代表の北田が語る、CCGグループが歩んできた35年の軌跡と、これからの想い|後編
私が経営者になれたのは、
経営者じゃないことに気づけたから。
不安定な時代に企業の舵取りをしっかりと進めるためには、その羅針盤となる経営力を身につけたトップにならなければ、今後の成長はおろか多くの仲間の未来さえ守れません。私は人よりも営業が得意で、多くの仲間と楽しく会社を運営することには長けていたかもしれませんが、経営者としての役割とそこに求められるメソッドは全く身についていなかった。そう気づけた2008年のリーマンショックは、私が経営者として本当の一歩を踏み出した大きなきっかけになったと言えます。
会社は前年の2007年に株式会社シー・レップに社名を変更し、印刷部門を株式会社ホーナンドーとして分社化。印刷業以外でもお客様のビジネスを加速させる体制を明確に構築し、「トータルツールプロデュース」というコンセプトで舵を切り出したタイミングでした。その時の自分のミッションが、クライアント1社のウェイトは上げずに、数を増やしていくこと。当時は私も事業部長を兼務していたため、まずトライしたのが社内カンパニー制です。私を含めた4人の幹部それぞれが社内カンパニーの頭となって小集団の組織を作り、自ら現場に入って新規開拓と売上アップに向けて経営していく手法でした。しかし、人材もまだまだ揃っていなかったので結果的にはうまくいかず、また次の手をどう打つべきか迷っていたのです。そんな時、組織論を勉強していて思いついたのが、業界特化の事業部制でした。
今の自分と会社の基盤に。
業界特化の事業部制のアイデアが生まれた時、これは導入できると思いました。「自社の商品を売りたい。課題を解決したい。そう思っているお客様への理解がまだまだ足りていない!」という認識は少なからずあったんです。自分たちがしてきたカンパニー制はあくまでも形だけで、本質的な部分は分かっていない。だからこそ、お客様が何を求めているか、自分たちが何をするべきか、そのためにはそれぞれの業界に精通した人材が必要。そこをクリアできれば発注が生まれ、お客様に選ばれる会社になっていくという仮説を立てました。 その時考えていたのが、お客様への理解を深め、専門性を高めていくことがお客様にとっての利便性に繋がり、他社との競争優位になるということ。専門性と利便性こそが、これからの自分たちの武器だと信じて、2010年に不動産に特化した事業部を先行して立ち上げ、2011年には教育、アミューズメントの事業部も立ち上げました。震災で大変な時期でもありましたが、業界特化の事業部制を導入した翌年の2012年には、過去最高の売上を記録してV字回復。お客様も予算を組める状況になっていたことで、自分たちの組織戦略がうまくハマったんだと思います。この2008年からの経験と努力が、私自身としても、会社としても、現在の基盤になっていることは間違いのない事実です。
新しい自分を発見できる、
新しいことにチャレンジできる企業へ。
「一度しかない人生、自分がどこまでいけるか!見てみたい」。その想いでスタートした私とCCGの歩みは、2021年にホールディングス経営体制となり、2024年6月に創業35年を迎えました。現在、CCGグループは第二創業期に突入し、これから新たなステージへと駆け上がっていくための設計段階です。今200名を超える社員がいますが、一人ひとりがCCGグループとの出会いを通じて新しい自分を発見できる、新しいことにチャレンジできる、そんな企業になっていきたい。「Challenge Change Growing」というCCGの企業文化でもあるこの言葉を胸に、未来に向けて、それぞれの強みを活かした新しい機会を作っていきたいと考えています。
可能性は自分だけのために開花することはなく、自分を取り囲む大勢の人たちとの協働作業によって、一番大きく開花すると思っています。事業においても同様で、新しい事業を生み出すにしても、これまでの既存事業の強みや社内リソースを活かすことが成功への大原則。既存事業の勝ちパターンを活かせる領域に進出しながら、目指す領域へと進める地続きのピポット化こそが、CCGグループの事業開発セオリーです。そして、世の中の大きな変化を見てきた中で改めて感じるのは、事業とはマーケット(お客様)とプロダクトの掛け算で生まれるもの。どれかに選択と集中するのも正しいことかもしれませんが、私たちが安定成長していくためには、マーケット、そしてプロダクトの両方に対してポートフォリオがきちんと効いていることが重要であり、それこそが他社との大きな違いになると思っています。
この両面の変化が、成長に繋がる。
CCGグループとしての事業の考え方をお話ししましたが、最後にマインドについてもお話しさせてください。1990年の創業当時、デジタル化なんて想像すらできませんでした。しかし、世の中を巻き込んで様々な環境を作り出し、その中で消えていった会社もあれば、新たなスタートアップも数多く生まれてきています。ここで重要なのが、変化を拒まず、いとわないという姿勢です。変化には2種類あり、自分自身が変わっていくことと、世の中にフィットしていくという意味での変化があります。後者は外部環境(世の中の流れ)に内部環境(社内リソース)をフィットさせることで、企業の変化と進化にもなるもの。この両面の変化を拒まず、判断のタイミングを見誤らずに続けていくことで、大きな成長に繋がるはずです。私自身もそうだったので、この変化に対応できる人が集まる、そんな企業でありたいと思っています。
皆さんもぜひ『自分SWOT分析』をしてみてください。強みと弱みの部分は自己判断で書きやすいかもしれませんが、機会と脅威については、外部や内部の環境で自分の周りにあるものを考えてもらえればと思います。例えば機会なら、お客様とのビジネスの中で、今いる部署の中で、自分にとっての良いチャンスになるものは何か。脅威なら、世の中の事象やライバルの出現など、自分がピンチになるものは何か。このSWOT分析は自分を見つめ直す機会になり、事業を自分で運営していく意識を根付かせることにも役立ちます。弱みをなくして脅威を取り除くだけではなく、自分の強みを活かして新しい機会を作ることが本当の目的です。これが新しい変化を生むきっかけにもなるはずなので、そういったプラスの観点から取り組んでもらえれば。ちなみに、弱みや脅威を取り除くために私が実践しているのは、「自分を信じること。」とカッコつけたいですが、正直、なかなか信じきれない部分もあるので、やっぱり信じられるようになるまで努力することが一番だと思います。